Attacking the paint ②

みなさん、こんにちは。

いつもご愛読ありがとうございます。

今回はペイント内をアタックするスキルについて、です。

せっかくペイントにボールを持ちこんでもなかなかアタック出来ない、というような話を前回させてもらいました。今回はその辺を掘り下げて考えていきたいと思います。

では、何故、アタックしないのでしょう?もしくはアタックしないように教わってきたのでしょう?

まず第一に確率の問題があります。

フローターやティア・ドロップなど、ミニにしても中学にしても、高校にしても、「基本から外れている」という考えの指導者の方も多いのではないでしょうか?まず確率が低い。またファウルをもらうことも出来ない。そんな所から、「ブロックされても良いから強くプレイしよう!」と指導する指導者の方も多いのではないのでしょうか?また無理にそのような確率の低いシュートを打つなら、しっかりオープンの選手を探す、その方が「良いバスケット」である、そうも考えられるのではないでしょうか?

確率を上げる練習法についてはまた後日述べさせて頂くとして、こういった種類のショットの効用について簡単に自分の意見を述べさせてもらいたいと思います。

上記のような考えはすごく良くわかります。実際にそのように指導していたこともありました。

ただ、です。

ペイント内で決定力を欠く、ということは結局ジャンプシュートチームになってしまい、それこそペイント内で得点を取れない、ファウルをもらえない、という悪循環に陥ると私は思っています。

例えば、フローターのような「浮かす」シュートですが、このシュートを「打てる」とディフェンダーが思うことが大切だと思うんです。例えば、ドライブをして、ある程度の間合いにビッグマンが立っていたら攻めていかないガードがいたとします。ディフェンスをしていてこれほど楽なことは無いと思うんです。ガードについている選手はプレッシャーをどんどんかけられるし、ゴール下にいるビッグマンは向かってきたら、ちょっと向かっていって、打つ気を無くさせて、あとはパスコースを制限するだけで良い。これだとドライブする度にジャンプパスなどターンオーバーに繋がりやすいプレイが増えるだけで、アタックすることに意味が無くなってしまいます。

逆にアタックしてきて、プルアップジャンパーなり、フローターなりを決めることが出来れば、ディフェンスは引っ張りだされるほかありません。結果、ゴール下にスペースも出来るので、フローターをするふりをしてゴール下にパスを出すとか、それこそ、ポンプフェイクとかにもかかってくるようになる。

日立の時に選手に伝えていたのは、こういった類のシュートを打つことは構わない。ただ、相手のビッグマンがブロックにも跳ばないような間合いでただの放り投げはやめよう、と。外国人選手がペイント内にいたとしても、何もフリースローからフローターを投げる必要は無い訳です。ドライブしながら、どれくらいの身長や運動能力を持つ選手にはどれくらいの間合いがあれば自分はシュートを打てるのか、それをわかるようになるために積極的にバスケットをアタックしてこういったショットをチャレンジしてみよう、と。そのように伝えていました。

またドライブした時、このようなシュートが打てる効用は他にもあります。

それはオフェンスリバウンドです。

これはアイバーソンがまだシクサーズ(最初)にいた時の話ですが、当時コーチをしていたラリー・ブラウンは、アイバーソンがドライブをした際、オフバランスで無理をしても構わないからゴール下で無理なパスをするなら、ゴールの反対側で落ちるように、ボールを投げろ、と指示をしていたそうです。これだとアイバーソンのショットをブロックに来た選手のマークマンは簡単にオフェンスリバウンドに合わせられる訳です。コービー・ブライアントもこのようなプレイを良くしますね。傍目から観ると、無茶苦茶なシュートを打っているだけのように見えますが、きちんと理由があってやっていることなんです。

まとめると、ペイント内のシュートのメリットは(これにはビッグマンのフェイドアウェイシュートやフックショットも含まれると個人的には考えています)、

① ペイントをアタック出来ること

② ファウルをもらえる可能性が増えること

③ フェイクにかかる可能性が増えること

④ ゴール下のビッグマンをよりひきつけられること

-パスのコースが増える

-オフェンスリバウンドが取れる

ことが考えられると思います。

みなさんはどのようにお考えですか?