Roy Williams①

今回読んだ「Hard Work」は、すごく刺激を受けた本でした。

何と言っても、Roy Williamsコーチの生き様です。

高校のコーチとして、しっかりとした生計を立てていたにも関わらず(チームは弱かったようですが)、そして子供が出来たばかりにも関わらず、年間$2700の契約でノースキャロライナに戻り、アシスタントになり、いくつもの仕事を掛け持ちしながら、夢を追いかけ続けたこと。スタッツ取りとかバスケットの仕事だけでなく、一日かけて何百キロも車で運転して試合のビデオを届けるとか、そういう単調な仕事でも、お金になることはどんな小さなことでもやっていたそうです。

口で言うのは簡単だけれど、生活をかける、って本当に怖いです。

彼自身、「本当につまらないと思ったし、本当にこんなことをしていて自分は良いのか?と何度も自問自答した」と当時の環境について悩んでいたそうです。でも辞めないことで、次に繋がって、どんどん昇格していった。。。そういえばかっこ良いですが、でも実際にはそんな疑問や葛藤を普通の人と同じように抱えながら、5年間も単調な仕事をこなしていたそうなんです。

辛抱強くやり抜く、という言葉に、Perseverance、という言葉がありますが、本当にその言葉とおり、辛くても一つ一つやり抜いて、今の成功がある。選手として一流じゃなくても、コーチとしても一流のスタートじゃなくても、やり抜けば、必ず次に繋がる。。。

そんな勇気をくれた話でした。

知らない人もいるかも知れませんが、彼はノースキャロライナでアシスタントを勤めた後、強豪大学のカンザス大学に迎えられています。そのため、彼が最初からとてつもなく優秀な人材だったと勘違いしていたのですが、彼はその前にもいくつものディビジョンIの大学からのオファーがあったそうなんです。ただ、もっと小さな大学からのオファーでした。逆にいうと、小さな大学のオファーをもらっても「ありがたい」と思うくらいのコーチでしかなかったようなんです。

それでもその都度、悩みに悩みながら、ノースキャロライナに残る道を選んでいたそうです。

たまたま、ほんっとうに運というか、運命のようにカンザスの話が舞い込んで来て、当時あまりに無名で実績も何も無いRoy Williamsをヘッドコーチにすることにはカンザスでもたくさんの人が反対したそうです。そこからカンザスを名門に育て上げ、ノースキャロライナに戻ってくるまで、名コーチとして、不動の地位を築き上げた。。。

生活を夢にかけるって、かけたことがある人にしかわからない怖さがあると思うんです。

自分の家族からも親戚からも、奥さんの家族からもいろいろ言われますし、実際にどうなるかはわからない訳で、成功や昇進が保証されている訳でも無いですし、そこに飛び込むには相当の覚悟と勇気がいります。

それに目の前の単調な仕事って、本当に退屈だし、やるには相当の根気が必要です。

でも、やり抜くこと、そしてやり抜くからには最高の仕事をすること。それが大切なのだと。。。当たり前のことでも、やっぱりそういうことをしっかりやり抜いている人は本当に強く、その先の試練にも負けないしっかりとした土台が出来るのだな、と。そんなことを感じました。日本でいう「下積み」、例えばお寿司屋さんだと、握りの作り方をいっさい教えてもらえず、師匠の仕事を観よう見真似で覚える、その間ひたすら掃除とか単調なネタの仕込みとかさせてもらえないとか、そういうのと同じようなものなんでしょうか。そういうことにもやっぱり意味があるんじゃないかなあ、とそう思ったのでした。

目の前の仕事をしっかりとこなすこと。単調でも、何でも一つ一つしっかりと。

やっぱりそういう原点に戻ること、大切ですね。

うん。

頑張ります。

この記事を書いた人

東頭 俊典

東頭 俊典

バスケットボールコーチ。 北海道出身。
現在はアースフレンズ東京Zヘッドコーチ