アシスタントコーチの仕事②

みなさん、こんにちは。
今回はよく質問のある”アシスタントコーチの役割”について、自分なりの考えをまとめてみようと思います。

自分が最初アシスタントコーチを始めた頃、わからなかったことに「全力を尽くす」ということの意味があります。
最初は、「自分の100%を出すこと」=「全力を尽くす」ということだと思っていました。
例えば、バスケットをやっていれば、どんなコーチでもある人は知っていて、ある人は知らない、っていうことはいくらでもある訳です。ヘッドコーチが知らない戦術をアシスタントコーチが知っている場合もあるでしょう。(もちろん逆もあります)

例えば、「この戦術の方がこの局面やこの場面は打開出来そう」とアシスタントコーチが思っていたら、それを迷わず提案するのが「100%を出すこと」であり、全力を尽くす、と思っていた時期もありました。
言わなければ、自分に嘘をついている=チームに対して全力を尽くしていない、という不完全燃焼感を持ちましたし、言うとヘッドコーチの機嫌を損ねてしまうこともあって、板挟み(笑)、みたいな。
そんな経験、きっと誰もが持っているのでは無いでしょうか?

自分が途中で何をきっかけに気づいたかは全く覚えていませんが、ある時から考え方を変えてみました。
「自分の100%を出すこと」から、「ヘッドコーチのバスケットを具現化するのに、自分の100%の知識を総動員する」にパラダイムシフトをしてみたんです。
この場合、自分の知識の範囲の50%、もしくは10%しか使わないかも知れません。
でも、その10%に自分の100%をかける。
そんな感じです。

そこから、あまり悩んだ記憶も、怒られた記憶も無いですね。。。

例えば、選手との潤滑油の話でも、選手から上がってくる質問や疑問などを、ヘッドコーチの視点から、選手が納得出来るように、話しきれるまでになる。「アシスタントコーチだから、ここは自分がそう思っていなくても、選手にはヘッドコーチのやりたいことが正しいと伝える」というのでは無いんです。それでは選手にも伝わってしまいますしね。

なぜその戦術をヘッドコーチが使わないのか、その時のリスクは何か?ということを理解し、言葉に出来るようにする。
わからなければ、もちろんヘッドコーチに確認すれば良いでしょうし、ただ、そういう説得力を持てる、というのは大切だと思います。

結局よく、「あの時タイムアウトを取れば。。。」とか、「ゾーンをひいてれば。。。」という「たられば」の話をよくする人がいますが、よっぽど力の差がある以外は、負ける試合は、4〜5点差とか、10点差とかで負ける訳で、あとオフェンスリバウンド2回取られないで、レイアップとかゴール下のミスを2、3本無くせば、勝てない試合ってそうそう無い訳で。。。

そう考えたら、”そもそも論”とかともとれる戦術とかをああだこうだ言うよりも、ヘッドコーチが目指すバスケットで勝てるようにするというのが前提かな、と。

逆にこういう風に仕事をしていれば、信頼も得られ、戦術面や他の話をしても、しっかり聞いてもらえるようになる気が、自分の経験論からはします。そうすれば、「忠誠心」もありつつ、「潤滑油」にもなれるのかな、と。

ただ、ヘッドコーチの人となりや、バスケットボール感を汲み取れなければならないので、そういった面では、ヘッドコーチが変わると、しっかりそのヘッドコーチの意思や方針を素早く汲み取れる能力がないと、なかなかチームに貢献出来ないですよね。

「全力を出す」という単純なことでも、考え方次第で、随分違うものですよね。。。
ベクトルが違うと、本当に結果が変わってくる。。。

もちろん、ヘッドコーチによっては、どんどん提案を求める人もいるでしょうし、それは千差万別、いつも言うように「答えは一つじゃない」ということなのでしょうが、大切なのは、ヘッドコーチの意思を言われなくても”汲み取れる”力を磨くことなのかな、と。
今の段階では、そんな風に私はとらえています。

みなさんはどのようにお考えですか?