長ぐつアイスホッケー

11月月末に釧路に講演をするために招かれました(詳しくは「釧路講演」をご覧ください!)。ある研修会の講師としてのお招きでしたが、そこで聞いた興味深い話をご紹介したいと思います。

釧路というと北海道の東、スピードスケートの五輪代表などが多く輩出されている地域です。そこに「長ぐつアイスホッケー」なるものがある、とのこと。スケートリンクの上でスケート靴ではなく、長ぐつを履いてホッケーをするというこのスポーツ。ビデオを見せてもらうとなかなか上手く走ることが出来ずに悪戦苦闘していながらも、楽しそうにプレイしている姿が印象的でした。

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「釧路町長ぐつアイスホッケーオフィシャルサイトより」

もちろん札幌出身の自分としては、「スノーホッケー」とか、雪のスポーツを行っていたので、競技そのものにも興味があります。ただ、今回面白いと思ったのは、こういった地域性のある競技を子供から大人まで幅広い年齢層に広めようとしている釧路町の皆さんの活動そのものです。

皆さんが御存知の通り、スポーツの価値や意義はそれこそ数えきれないほどあると思います。スポーツによってもたらされる体力の向上には、幼少時の子供達から学生だけではなく、生活習慣病やストレスが問題視されている30~60代の皆さんも恩恵を受けることが出来ます。また高齢化対策としても、お年寄りの筋力維持や健康維持にもスポーツが果たす効果は大きいと思います。それ以外にも、地域社会との繋がりを考えた場合、長ぐつアイスホッケーのような活動は大きな役割を担えると思うんですね。子供から大人まで同じスポーツをプレイしていると、繋がりが生れますし、互いに学ぶことも大きいと思います。

アメリカでは、バスケットボールがそうした地域社会の繋がりも担っている面もあります。既に投稿した通り(「ストリート・バスケット(全6話)」をご参照下さい)、子供も大人も入り混じってプレイできるんですね。そういった所から一般的に”ゲーム感”と呼ばれる物だったり、”バスケットボールIQ”というのを吸収していると思うんですね。それ以外にも、バスケットボールをプレイしていると、バスケットボールを通した社会貢献(感情に障害のある子供達へのクリニックや、車いすバスケットボールチームとのチャリティゲーム、その他様々なコミュニティ活動への協力)をたくさん経験できる場所に遭遇します。本当にバスケットボールが「競技」という枠を超えて、一つの「文化」になっているんですね。釧路町の長ぐつアイスホッケーにも似たようなものを感じました。

今回、お会いした方々はそれぞれが様々な活動をされていて、本当に「地域スポーツ」や「生涯スポーツ」の発展に熱心な方達ばかりでした。こういう地域から、五輪で金メダルを取るような選手が生れるのも、うなずけることだと妙に納得して帰って来ました。それぞれの地域性が生かされて、「競技」という枠を超えた活動。こんな活動が日本にどんどん広がっていくと良いですね!

長ぐつアイスホッケーについて気になる方は、こちらへどうぞ!

釧路町長ぐつアイスホッケー オフィシャルサイト http://www.nagaho.com/

バスケットボールももっとメジャーになって、「地域スポーツ」になって欲しいですね!