バスケットを職業にしたい人のために

みなさん、こんにちは。

いつもありがとうございます。

コメントもありがとうございます。

ここのところ、全く返信できていませんが、全部読ませてもらっています。

さて、JBLに関わるようになってから「どうすればコーチやスタッフになれますか?」という質問をよく受けてきました。

JBLに限らず、bjでも実業団でも、スタッフ入りするのに、日本でバスケットの強豪校に進んで入る人もいれば、海外の大学に進学して入る人もいます。選手で入って引退してスタッフになる人もいるし、いろいろな方法があると思います。

でも上記の道を選んだとしても、入れない人もいる。むしろ入れない人の方が多いのかも知れません。

でもだからといって絶対に無理、という訳でも無い。

自分は目標を立てる時、「7つの習慣」の「はしごをかける」という概念をよく使います。

はしごは高い所に登れるけれど、かける所を間違えたら自分が行きたいのと違う所に登ってしまうかも知れない。

だからしっかりとまずは目的地を定めよう、という考え方です。

目的地を定めても、自分の位置を知らないとはしごの長さが決まらない。

だからまずしっかりと客観的に自分の位置を考えよう、と。

そして、「はしご」ですから目的地まで登って行くためには格(こ)(*注:段です)が必要です。

格の間が広すぎたら、登れないし、狭すぎてもまた窮屈で不便です。

しっかり自分の歩幅と筋力にあった格のついたはしごを目的地にかけることが大切。

つまり、「目的地をしっかりと知り、定め」、「自分の現在地を正確に知り」、「格、つまり小目標をしっかりと立てて」、一歩一歩登って行く、というのが自分が「はしごをかける」と呼んでいる方法です。(7つの習慣とはちょっと説明の仕方が違っています。自分流はこんな感じです。)

だからJBLのスタッフを目指す人でも、将来代表の選手になりたい人でも、このステップを考えてみてしっかりと「はしごをかけてみる」と良いんじゃないか、と。いつもそんなアドバイスをさせてもらっています。

まとめるとこんな感じです。

① 目的地を知る。定める。

自分のやりたい職業の人はどんなバッググラウンド(経歴)を持っているのか、どんな資格を持っているのかを調べる。

しっかりリサーチした後に可能なら直接会いに行って聞いてみることも大切。(あくまでしっかり下調べした後じゃないと相手に失礼になることがあります。自分でわかることは全て調べ尽くした後でなおかつどうやってそこまで辿り着いたか知りたい、くらいの情熱が無いのであればお薦めしません。)

② 自分の現在地を知る。

「客観的に」が大切です。自分のバッググラウンドなどを卑下する必要は無いです。もし強豪校などに現時点でいないなら、どうすれば良いか、前例をくまなく探してみる(そういう無名校からJBLとかbjに入っている人などいないのか探してみる。。。意外にいるもんです。)。

客観的に「相対評価」してみる。つまり、人と比べてみる。今JBLで自分のやりたい仕事を実際にしている人と比べても良いし、自分と同年代の人と比べてみたり、とにかく自分の現在地をしるためにいろいろと「他の人の目から」自分を観てみる。そうすることで自分が目的地からどれくらい現時点で離れているのか知ることが出来ます。

*ここで自分を卑下する必要はありません。別に何歳になっても「絶対不可能」というのは無いのではないかと、個人的には思っています。可能性が小さいと見えれば見えるほど、同じ立場の人はリスクを取らないものです。リスクを取って進んでみると、道が開ける場合が自分の場合は結構ありました。自分は高校までほんとに普通の公立高校ですから、中学、高校と「バスケットじゃ食べていけないからなあ」と先生に言われたものです。

でも厳しい世界ですし、犠牲にしなければならないものやこともたくさん出てきてしまうかも知れませんが。。。「犠牲」と思わないほどバスケットが好きならきっと大丈夫。。。かな?

③ はしご全体と格(こ)の長さを決める。(=小目標(中目標?)を立てる)

しっかりとやや難しいけど、実現可能な目標を立てて、目的地まで結んでみる。

明確に、「これなら何とかいけるだろう」と客観的に観ても納得が行くような形まで具現化するのがお薦めです。

進んで行く上で、結構進路変更はありますがそれはそれで問題無しです。目的地に近づいているのであればその都度はしごをかけなおせば良い。

自分は大学時代に、将来は日本でコーチをしたいと思ったのですが、結構バックアッププランのバックアップまで考えてました。とにかく自分の時はアメリカに進学してバスケをやっている人も少なかったし、前例が無かったので、帰国してJBLに関われなかったら、一般企業でお金を貯めてアメリカの強豪校の大学院に進んで、そこでバスケ部に関わらせてもらって、何とかJBLに繋げようとか考えてました。修士だけならきっと自分のキャリアじゃコーチが出来ないかも知れないので、スポーツ心理で博士号まで取りたいなとか(実際に試験も受けたし、進学希望の教授にも会ったりもしました。)、そこの大学に行くにしてもDivision III出身の日本人ではスタッフに入れてもらえないかも知れないと思って、日本のコーチの方に推薦状をもらうのに手書きで長い手紙書いたり(今思うと非常に恥ずかしいのですが、ま、若気の至り、ということで。。。(笑))、とにかく普通に待っているだけでなく、いろいろ考えて動いてみるって大切だと思います。

自分の場合は運もあったし、たくさんの人に助けられて、博士号どころか修士も取らずにアシスタントにさせてもらえたし(通訳、というのは盲点で大学の時は全く考えていなかったのですが。。。そこに助けられました)、当時思い描いていたよりも10年くらい早くアシスタントコーチになれましたが。。。(でも、ほんっとうに奇跡的にラッキーでしたが。。。)今はJBLも結構若い人多いですが、自分の時はJBLの選手経験者じゃないでコーチになっている人はいなかったので。。。20代のコーチなんて自分だけでしたから。。。昔いすづにいたUNLV出身の加藤コーチは高校は能代でしたし、大学はアメリカでも名門だったので、自分は全く違う道のり(アメリカの大学院に進学して、JBLのコーチ陣に無い武器を身につけること)を考えました。当時のJBLのコーチの多くは日本の大学を出て、選手を長いことされてコーチになった方が多かったので、例えばもし力になれるとしたらアメリカの大学院でスポーツ関係の勉強をする、とかを考えました。逆に心理学の世界では修士や博士をとって大学で教えられている方はいますが、現場でコーチ、という方もいない。だからコーチングみたいなものをしっかり勉強して、そして現場で実践してみるって面白いのではないかな、と。日本の大学を出て選手を長くやって、それからアメリカでコーチングの勉強を本格的にする、というのは語学的にも、例えば家族とかもいるでしょうからいろいろな面で難しいと思ったので、それならアメリカの大学に行っている自分は有利だな、と。相対評価や客観的分析からこんな風に考えていました。だから、別に自分の立ち位置を必要以上に卑下したりせずにとにかく「道」を探してみると案外見つかるのかな、と。逆に自分の位置を過大評価したら、絶対にアウトですが。。。(人より努力しなければ、という発想にならないし、何とか差をつけようとか縮めようとか、そういう泥臭さが無くなってしまう。)

ま、運や縁もあることなので、簡単には言えませんが、自分がしているアドバイスはこんな感じです。

参考になれば幸いです。