みなさん、こんにちは。
いつもありがとうございます。
先日のU16の男子代表合宿で2011年度の日本代表の活動が全て終了しました。
今年度はA代表はアジア選手権で7位、U16代表はアジア選手権で3位という成績でした。
自分にとっては代表活動は2年目でしたが、代表がJBLのチームなどと違う部分は、その責任の重さや対戦相手のレベル、ということもありますが、「シーズンが短い」ということも大きい部分を占めます。チームUSAのコーチKの著作で「A SEASON IS A LIFETIME」という本があります。その本の中でコーチKは、「大学でも毎年”同じチーム”などあり得ない。一年一年そのチームは全く新しいチームで、そういった意味ではそのチームの”一生涯(=LIFETIME)”は一度しかない。だからこそ毎年そのチーム、そのスタッフでコーチング出来るのは最後だと思いながらコーチングをするんだ。。。」といったような内容のことが書かれていたと記憶しています。
代表ってまさに「LIFETIME」が一度きり。それも20名や30名、今年のA代表は42名から初めて、どんどん選考を重ねて最後に12名に絞り大会に臨みました。そう考えると、その12名の「LIFETIME」って本当に数週間しかないんです。それに加えてJBLではアシスタントコーチやトレーナーが複数いる所も少ないですが、代表ではいろいろなチームからいろいろな経験を持った人たちが集まって、そういった限られた短い期間で、スタッフだって”チーム”にならないといけません。
長いシーズンがあるJBLやbjと違って、そういった意味ではスタッフも選手も短い期間で素早くチームから求められていることを察すること、それにアジャストすること、そして自分の力をチームのために出し切ること、そしてなおかつ「結果」を求められる。だから楽しい。でも一方で大変難しいチャレンジでもある。
初めて代表に加わった時には、一週間に2試合、それも同じ対戦相手と試合をするJBLの経験が、11日間で9試合とか、9日間で8試合、それも毎試合違う相手と試合をする、という国際大会にどう活きてくるのか、活かせるのか、楽しみなのと同時に最初は不安でたまりませんでした。
ただ、経験というのは面白いもので、初めて乗り込んだジョーンズカップでそれに対応出来る自分がいた。。。全くJBLとは違う日程や相手でも、JBLの経験を活かせることが出来た。個人的にはたくさんの新しいことを学びながらも、これまでやってきたことを充分に活かすことができた。。。そんな自信を得られたシーズンでした。
今年は長い間、マネージャーや総括が不在の中、そちらの対応もしなければならず、昨年とはまた違った役割になり、果たさなければならない役割を完全にこなしきれず選手やチーム、スタッフ、協会やJBLのチームの方々にも迷惑をかけ、自分の力不足を思い知らされたシーズンでもありました。自分にとっては学びの多いシーズンでしたが、36年ぶりのオリンピック出場がかかったこの大切なシーズンに自分の全力を尽くしてもどうにも出来なかった悔しさ、経験が無い、ということでは許されない訳で、アジア選手権後はどうしようもない虚無感に襲われました。
アジア選手権でも怪我を負いながらも懸命にベンチから仲間を励ます選手がいたり、歩くのもきついような状況で試合に出たり、「例え骨が折れても出る」という気持ちで試合に臨んでいた選手もいました。そういった選手達に本当に申し訳ない。JOHN WOODENが「成功とは自分がなりうる最高の自分になるためにやれることを全てやった、という自己肯定感から来る平穏な心のことだ」と成功を定義しています。その言葉をずっと信じてやってきましたが、でも「やれることを全てやった」としても、解決出来ないものもあるし、それだけでは許されないことがある。自分の力の無さが本当に申し訳ない。心からそう思った大会でした。じゃああれ以上何が出来たのか、と大会後ずっと考えていますが、結局答えを見つけ出せずにいます。答えを見つけられないことも含めて自分の力不足なのかな、と、そう感じています。
アジア選手権後に辞表を提出し、今年度をもって契約を打ち切ることにしました。今日をもって協会を離れます。
ここに来る為に自分を推薦して下さった方々、気持ちよく送り出してくれた前の会社のみなさん、またこの2年間応援して下さった方々には本当に感謝しています。このような形で離れることになり大変申し訳ない気持ちで一杯ですが、もう一度しっかり勉強出来る環境でまた一から出直したいと思います。
たくさんのカテゴリーでたくさんのコーチやスタッフと共に働く中でたくさんのことを気付き、学ばせてもらいました。本当にありがとうございました。また一緒に日の丸を背負って戦った選手達からも多くのことを学ばせてもらいました。前述したように選手達は一生懸命だし、誇りもプライドももって、本気で世界を目指して戦っていました。そんな選手達と一緒に戦えたことに感謝しています。
ありがとうございました。
2012年3月31日 東頭 俊典