東京オリンピック2020:男子日本代表 〜挑戦を終えて〜

※本投稿はTwitter(@SeanTodo)の投稿を抜粋したものです。


2021/7/26 世界ランク2位スペインとの激闘の後に 〜日本の可能性〜
(東京オリンピック2020 男子 予選ラウンド 🇯🇵日本77-88スペイン🇪🇸を終えて)

🇯🇵77-88🇪🇸
よくやったと思う。スペイン相手に後半追い上げたのは物凄く大きい。海外組・国内組関係なく、出た選手みんなが仕事したし、スペインとこういう試合が出来たのは大きい。ルビオが見せた圧倒的な存在感を同じコート上で感じられたことは若い代表にはとてつもなく大きいと思う。

あとはとにかくタイムラインに溢れるいろんな声。応援する人、より良い戦術・起用を考える人、たくさんの声があったけど、皆が同時に同じ試合を見て、日本の勝ちを祈って色々考えていた。スペインの凄さも感じられたろうし、国際大会をこうしてみるって、なかなか普段の生活ではないのかもしれない。

45年ぶりのオリンピックでバブルやいろんな混乱もあった中で、初戦をしっかり戦い切った選手たちを心から賞賛したいし、まずは予選ラウンドの残り2試合、自信を持ってやり切って欲しい。まだまだ足りない部分を感じれたと思うけど、今日の後半だけでも前半足りなかった部分を改善できていたから、このチームはまだまだ大会中に伸びることができる。今日の試合でたくさんの選手、指導者が可能性を感じたと思うし、世界のバスケットの美しさも感じれたと思う。世界の壁は果てしなく高いけど、届かないわけじゃない。本当にたくさんの人が見ていて、たくさんの意見が出ていることが嬉しい。

初戦とは思えない感慨深さ笑 本当に凄いや。まだまだまだまだ伸びる。 1勝、絶対掴み取って終わって欲しい。


2021/7/29 ドンチッチ率いるスロベニアとの試合 〜大敗後に感じたファンの変化〜
(東京オリンピック2020 男子 予選ラウンド 🇸🇮スロベニア116-81日本🇯🇵を終えて)

試合終了:🇯🇵81-116🇸🇮
結果35点差。でも八村が34点、渡辺が17点、ヒエジマが10点。リバウンド二桁はなし。結果スロベニアは3P38%で試合を終える。後半だけだと、圧倒的な確率かな。(前半は24%)
この差はこの選手たちだけじゃなくて、コーチや今これを見てる選手たちでどうにかして埋めていくもの。

まだまだ日本は強くなれる。
「世界」って言われるとなかなかわからないし、イメージつきにくいけど、結局はこうやって試合見て、普段の徹底、とか質の高さが問われてくる。上に行けば行くほど、基本が大切。シュートの確率、判断の精度、ディフェンスでの細かな駆け引きだったり判断だったり。

最後点差が離れたから、あーもーいーやー、ってならなかったファンも多かったと思う。それはスロベニアがあまりにも簡単にシュートを決めたり、綺麗なバスケットを披露してくれたから。シンプルにスキルレベルも高い。こういうのを多くの人に見てもらって明日からの練習に生かして欲しい。

上手い選手、良いチームのバスケットは美しく、見ていて魅了されるものだから。
日本もどんどんどんどん良くなってる。 目標の1勝、絶対掴み取って帰ってきて欲しい。


五輪が始まってから急速に皆の意識が変わってきてる。昨日スロベニアに35点差で敗北して、もっと批判や悲観論がたくさん出るのかと思ってたけど、シンプルにスロベニアのレベルの高さに驚く声が多かった気がする。過去において代表がFIBAランク15位以内と親善試合を含めて行った回数は数えるほど。

2006年の世界選手権前はリトアニアなどのU20やU22と日本代表が試合をして競ったり負けたりしていた。代表クラスの選手でも今回初めて感じたものもたくさんあったのだと思う。観戦していたファンや選手、コーチも昨日の現実を目の当たりにして色々考え始めてるようなツイートを散見する。

この五輪後、沖縄でW杯が開かれ、さらにその次のパリ五輪に向かう頃、八村、渡邊、馬場の最盛期となる。パリに出場する12チームに残るためにはアジア杯で優勝するか、最終予選で勝ち抜くか。今回最終予選を勝ち抜いたのは全てヨーロッパ勢と考えると、今回の五輪からどれくらい差を縮められるか。

簡単じゃないけど、4年前、日本がスペイン相手に善戦するとか、八村がスロベニア相手に30点以上取るとか、想像も出来なかった。だからきっと次の3年間にもこの五輪によって大きな進化がもたらされると思う。皆の意識が変わっていくのが凄く見えて、何か大きなうねりが生まれている気がした。

日本代表を先頭にきっとみてる我々も急成長を遂げていて、明らかに日本と世界の差を実感し始めてるし、それでもなんとかしようって、考え始めている。たったの2試合で、こんなにも人が変わっていくのにはびっくりしたけど、やっぱり百聞は一見にしかず、なのだと思った。

先を見るのは終わってからにして、まずはアルゼンチン戦。0−2。強国のプライドをかけて絶対に勝ちにくると思う。ラマスさん、エルマンにとっては母国との対戦になるけど、2人のためにも勝ちきってほしい。目標の1勝。なんとしても掴み取って欲しい。


2021/8/1 ラマスHC・エルマンACの母国アルゼンチンとの対戦 〜男子日本代表の挑戦が終わって〜
(東京オリンピック2020 男子 予選ラウンド 🇦🇷アルゼンチン97-77日本🇯🇵を終えて)

ちょっと山を降りられず、ライブで観戦出来なかったので、今見逃しで観戦完了。

まずは日本代表の皆さん、本当にお疲れ様でした。今回選ばれた12名だけでなく、ラマスJAPANになってから関わった全ての選手、スタッフが今回の日本代表だと思います。長い道のりで満足いく結果ではなかったかもしれないけれど、2年前からのワールドカップの全敗とは比較にならないほど内容が向上しているし、「日本の未来は明るい」と胸を張って(涙はちょちょぎれてるけど)言えるのはみんなのおかげかな、と思います。『世界でも勝負できる』、と思わせてくれる大会でした。
そして、ファン、全てのカテゴリーの選手、コーチの皆さんもこの五輪の彼らの奮闘を通して、それぞれがコーチや選手の批判じゃなくて、純粋に「世界との差」みたいなのを試合毎に深く感じていく様子がSNSなどでも見られて、それこそがこの五輪の最大の功績かな、と思いました。

もともと自分は2010年の世界選手権を視察させてもらって、初めて相当数の試合を見ることが出来た。2006年の自国開催の時でさえ、あれだけの試合数を見ることはなく、それから代表戦は他国やアンダーカテゴリーも含めて観れるだけ観れるようにしてきました。
多くの人が国際試合を印象とか、聞いた話で話すのは聞いたことはありますが、これほど多くの人が試合を追いかけ、感嘆し、それをSNSで投げることなど、これまで無かったし、一部の本当に数名のファンとかそれこそメディアの人が追いかけてるだけで、どれだけ本当に全部観てるのかわからないところから、今回の五輪で本当に風穴が開いたと思います。

次のW杯は沖縄で開催。その次のパリは出場国を勝ち取らないといけません。アジアの覇者に君臨し続けた中国、イランに加え、世界でも有数の強豪国のオーストラリアもいるアジアを制するか、今回欧州勢以外勝ち抜けなかった世界最終予選を抜ける。
それしか五輪に出ることはできないです(W杯を制覇する以外)。次の五輪までは3年しかなく、長そうで実はそれは全然時間がない。だから全てのカテゴリーの選手、スタッフは今回の経験を通して、各々が感じたことを日頃の自分の活動にどう活かすかが、問われてくると思います。

これまでは日本のコーチ達は「代表強化」より自チームのことに奔走していた部分はあったと思うし(それが間違い、とかではないし、強化に関わらずにその視野を持つことも烏滸がましい、と考える風潮もなきにしもあらずなので)、その結果情報は共有、よりも隠してる部分も多かった気もします。
ただ、コーチも若い世代が積極的に発信したり、共同で 勉強したり、カテゴリー問わず結びついたり、確かな変化が昨今見られていて、そこに今回の五輪が大きな追い風を吹かせることになると思います。

自分は今回の五輪が日本の「バスケットボール元年」として、いうか長くガラパゴスの様に国内で発展していた独特なバスケットや育成論が変わっていくと思ってます。
今回の海外組の存在感は圧倒的でしたし、やはりNBA選手の2人は飛び抜けていました。でもそれに呼応するように、田中選手、比江島選手を始め国内組も五輪中、明らかに進化していたし、存在感は試合を追う毎に増していました。この試合を見てるたくさんの選手が「ここに立ちたい」と思ったと思うし、今回の人選を含めて現代表は多くの選手に(スタッフにも)チャンスは与えてきているので、今シーズン以降のBリーグも面白くなっていくと思います。

結果は出せなかったけど、感慨深い、というのが感想で、本当に選手にはご苦労様でした、と伝えたいし、スタッフ、特にラマスHC、エルマンACにはありがとうございました、と伝えたいです。あとファンの皆さんも、SNSなど見る限り、他国にはない慧眼がある、というか、ただの感情論見たいな批判もなく、改めて、この国の人間であることに誇りを持てたし、これからのバスケット界の発展に自信を持てた気がします。 ありがとうございました。

うん、日本は必ず強くなる!
ありがとう。