みなさん、こんにちは。
いつもご愛読ありがとうございます。
ちょっと遅くなりましたが、4月3日に、スポーツドクターの辻秀一先生とサッカー協会の名誉会長、”キャプテン”こと川淵三郎さんの対談トークショーに参加してきました。
1993年、Jリーグが設立しましたが、当時は芝生は無い、サッカーの試合に人も入らない、で「プロ化」など笑い話でしかなかった。たったの20年前の話です。それが日本でワールドカップが開催され、国民的スポーツになってしまった。。。間違いなくその第一人者と言える川淵さんの想いの始まりは、代表選手時代に観た、ドイツのあるクラブハウスだったそうです。
地域密着型で芝生のフィールドがあり、体育館や食事を取れる施設も併設されている、夢のようなクラブ。地域に根差したこのようなスポーツクラブがたくさんある欧州各国に日本が勝てる訳が無い、と。だから、日本に100個のスポーツクラブを作ってやろう、と。
そこから始まったそうです。
今、川淵さんは日本中、全ての小学校のグラウンドを天然芝にしよう、という活動をされているそうです。これはサッカーのためだけではなく、地球温暖化対策、また子どもたちの運動不足解消(ちなみにどの年代の人も昔と比べると運動量が2/5になってしまっているのだとか。。。私達の年代も含めてです。これって恐ろしいですよね。子どもたちの運動不足や能力低下を偉そうに言っている訳にはいきませんね。運動量が少ないってことは老後の活動にも絶対に影響してきますし。。。)だけでなく、協力、感謝、感動、いろいろな感情を育むにも良いのだと。。。
この芝生を広げる活動の中で、川淵さんはいろいろな感動を経験されているそうです。
「今、みんなで芝生を育てていて、毎日芝生に歌を歌ったり、話しかけたりしています」という手紙をもらったり、靴を揃えて芝生にあがり、みんなで走りまわったり、飛んだり、回転したりして笑顔でじゃれている姿をみたり。
ある学校では車いすの子が立ちあがって芝生を歩いていたそうです。グラウンドの時は転ぶと怪我に繋がるので、立ったりしなかったそうですが、芝生だと倒れても大丈夫だから、と。普段歩けない子が立ちあがって歩いていた、と。。。
川淵さんは本当に熱く、対談中も目に涙を浮かべてお話されているシーンもありました。
たかだか、いちスポーツを強くしたい、ドイツのスポーツクラブみたいのを日本に作りたい、そんな想いから始まって、日本全土を巻き込んでサッカーを野球と並ぶスポーツに育て上げ、今やサッカーという枠を超えた芝生とか、そういう活動まで行われている。。。
日本ではスポーツは文化ではない。とは良く言いますが、スポーツが文化だったら、普段の生活と切っても切り離せないと思うんです。サッカーの強化を考えていたら、「外国って芝生あるぞ」となって、「芝生って別にサッカーだけでなく、いろんなメリットあるぞ」となる。それがいろいろな業界の人を巻き込んだり、社会の人を巻き込んで相乗効果となってどんどんどんどん膨らんでいく。。。
スポーツってそういうものなんだって、改めて気付かされました。
「日本を強くしたい」・・・その想いがここまで大きくなって、形となっている。
バスケットだって絶対に変わらないと思う。
「出来ない理由を探すよりも、出来る方法を考えてきた」、そう言い切る川淵さんの姿にすごく感動した一日でした。