ビル・ラッセルの本を読んでいて感じたこと。。。
それはタイプは全く違ってもGreat Playerと呼ばれる選手には何かこう独特な”感性”があるのかな、と。
こんな逸話があります。
ある試合で残り10秒、1点ビハインドで相手ボールの場面。ファウルゲームをするにもチームファウルが少なく、ボーナスになるまでに時間がかかる。この場面で、ラッセルは相手のガードに背を向けてベンチに戻ってしまったそうです。
コーチとしてはあり得ない。お金を払って観に来てくれたお客さんにも、このような態度は申し訳が立たないですよね。
でも。。。
ラッセルが背を向けてベンチに向かうのを見るや否や、この選手はレイアップに向かったそうです。それを”待っていた”ラッセルが後ろからそのレイアップをブロックし、ボブ・クージーにボールを繋いでファーストブレイクで得点を取って、ボストンの逆転勝ち。。。これ、本当にあったことらしいんです。
ラッセル曰く、このシチュエーションでは、ボールを持っている選手の性格上、ラッセルが背を向けたら絶対にレイアップに行くと。また、彼のドリブル能力を考えると、ラッセルがスティールをするのは難しく、逆にレイアップに行くなら、絶対にブロックする自信があったと。残り10秒という時間を考えたら、これが「勝つために唯一、かつ最高の方法」だったのだということでしょうか?
こんなことを試合の中で考え、そして実行できるこのプレイヤーは素晴らしいし、きっと観ていても面白かったと思うんです。
そういえばデニス・ロッドマンなども駆け引きに関しては天才的でした。対戦相手の性格などを考えて、プレイしていたようなコメントをよく残していたと思います。ラリー・バード、マイケル・ジョーダンなども、似たような印象があります。もちろんこうした選手は「バスケットの基本、原理・原則」にも素晴らしく長けているのですが、それだけではなく、相手の性格や状況に応じて、面白い”例外”も導き出せる。。。ただ、派手なのではなく、そういう機微に満ちたプレイをするプレイヤーって面白いですよね。
最近でいうとどんな選手なんだろう?
ふと考えました。