さて、ラッセル選手続編の続編。
一応本人曰く”不遇な学生時代”(優勝はしているんですが。。。)を送ったラッセルは、ボストン・セルティックスにドラフトされます。レッド・アワーバック・コーチが指名した訳ですが、結構人種の偏見の壁が厚かったボストンでは不人気なドラフトだったようです。
当時はジョージ・マイカンなどビッグセンターがいるチームが勝っていた。だから、アワーバック・コーチも支配的なビッグ・センターをずっと探していたそうなんです。ラッセルが入団する数年前、あのボブ・クージー(トリッキーなプレイで人気が絶大で殿堂入りも果たしたガード)をドラフトせずに他のセンターを取ったくらいですから、アワーバック・コーチはこの考えに絶対の信念を持っていたようです(これにはファンもかなり怒ったそうです。結局クージーはトレードでボストンに来ることになるのですが。。。)
ビル・ラッセルが入団するまで、一度も優勝したことの無かったボストン・セルティックス。ルーキーであるラッセルにアワーバック・コーチは、「おまえがコート上でやっていることが一体何なのかよくわからないが、おまえのプレイがチームに有益なのは確かだ。おれにはおまえに教えられることは何もない。お前は今やっていることを続ければ良いんだ。」と言ったそうです。(もちろんアワーバック流のモチベーショナル・スピーチではあったと思います。)
ただ、それほどに彼のプレイは当時の主流からかけ離れていたようです。彼から言わせると、ブロックショットやリバウンドはディフェンスの終わりではなく、オフェンスの始まりだと。だから楽しくて仕方無かったのだと。ブロックやリバウンドに跳ぶ時には、アウトレットパスを出したい相手であるクージーが何処にいるかとか、味方がブロックしたボールを取れるかとか、計算してプレイしていたそうです。最近、そういう選手は観ないですよね。ビル・ウォルトンとかのハイライトを観るとそういうプレイをしていたように見えるのですが。。。ブロックしたボールをそのままアウトレットパスにしてしまったり。最近はスタンドにバレーボールのスパイクのように叩きこむ姿はよく観ますが、ブロックしながら味方のガードに”落とす”ようなプレイをする選手はあまり観たことないです。。。(最近NBAやNCAAから少し離れてしまっているので、そういう選手もいるのでしょうか?)
大学時代やオリンピックのアメリカ代表コーチが見えなかったラッセルの才能を、レッド・アワーバック・コーチは見抜いていた訳です。ジョン・ウドゥン・コーチもラッセルのことを学生の頃からかなり高く評価していたようですね。
ちょっと今回はポイントが不明確になってしまいましたが、要は周りの人の評価などを気にせず、”自分の目”に自信を持って、前に進むことも大切なのかな、と。また指導する側も、「常識」を「常識」として、自分で精査する前に鵜呑みにしてしまってはいけないのかな、と。
まさにこのホームページの第1話でご紹介した「座右の銘」のBe True To YourselfとFollow Your Heartだな、と。
そう思った訳です。