アメリカと日本の違い ~スラムダンク 谷沢くんの話~

みなさん、こんにちは。

中学生の時にめちゃくちゃ流行ったスラムダンク。

バスケットボールをする人だけではなく、誰もが感動して元気をもらえるスラムダンク。

いっぱい勇気をもらったスラムダンクに。。。今日はあえての反論。

安西先生の元教え子の谷沢選手。身長2mで運動能力がある谷沢選手はアメリカに留学し、あまり伸びることなく、最後は交通事故で命を落とします。

ドラッグの誘惑、英語の難しさ、人種差別、新しい環境での生活。。。難しいことは確かにあります。そして、ああいう悲劇も確かにありうる。。。

でも、アメリカのコーチングの方が基本に細かい部分もある。(そうじゃないコーチももちろんいますが。。。)その部分だけは、ちょっと誤解があるかな、と。

アメリカ=能力系、基本が適当

日本=基本に忠実

この構図、正しい部分もある。でも必ずしも正しく無い。。。

先日話したアメリカで活躍する伊藤選手や中山選手。日本でやってきたからこそ、アメリカで活躍できている部分は絶対にある。。。それは書かせて頂いた通りです。ですが、アメリカに行ったからこそ学んだ部分もある。。。その部分がこれからの我々のコーチングに大切な部分なのかな、と。

例えば、日本で教えられる”空中でボールを受けながら、ミートでずれを作る”という韓国式の動き。これ、アメリカでは出来ない部分が多いんです。まず第一にパスのスピードが違う。アメリカ人のコーチは必ず「ボールをまず受けることが第一。次のことはそれから考えなさい」という指導をします。日本人的には、そういう部分をしっかりと突き詰めることがアメリカや外国を超えるために、日本人には必要不可欠である、と考えたい所です。

ですが、です。

パスのスピードが違うんです。逆にそれくらいパスが速く無いと、通らないくらいプレッシャーが強い。パスのスピードが速いので、ボールを受けながら片目でディフェンダーを観る、なんて作業が出来ないんです。逆に言うと、そういうことを意識していたら、パスのスピードが落ちてしまう。つまり、「先を考える作業」をするために、プレイ(パス)の質を落としてしまっている部分があるのではないか、と。

ミートでずれを作るのは有効なんです。それは間違いない。でも、このブログで再三話してきている”質”の部分を上げることも忘れてはいけないのではないか、と。

アメリカの大学に行って一番最初に教わったことは「両手でボールをキャッチしなさい」でした。最初は「何を言っているんだ?」と思ったのですが、本当に両手でボールを取らないと取れないんです。プレスブレイクの練習をしている時に同じチームにいたセブンフッターが投げたベースボールパスが無回転でナックルボールのように揺れて落ちてファンブルして怒られたのを覚えています。「こんな強いパス投げてくるんだ(しかも無回転!)」ってびっくりしました。

日本に帰って来て、中学、高校、大学、実業団、どのレベルの試合でも、本当に片手キャッチや片手でボールをコントロールしようとしてミスをしているケースが本当に多いことにびっくりしました。外国人のコーチはこういった傾向を観て、「日本人は基本を教えられていない」と嘆いています。ジェリコ・コーチも「ドリブルの強さやファンダメンタルを教えるのは、ナショナルチームのヘッドコーチの仕事ではなく、その前の話だ。」という話をされていたと聞きます。

パスを受けるために、ターゲットハンドをあげる。でも、それはターゲットハンドを上げるためではなく、ターゲットハンドを上げないと受けられないような速いパスが来るからなんです。アメリカでは本当に手が上がっていないとボールが受けられなかった。。。でも日本では。。。?ターゲットハンドを上げないと取れないパスってくるんでしょうか?そうしないとボールが回らないような激しいディナイがあるのでしょうか?

ミートでずれを作る、というのは、パスやドリブルの強さ、両手でボールを扱う、といった基本の上に来る”高等技術”なのではないか、と。

谷沢くんの話を聞いて、日本人みんなが「アメリカは基本を教えない」と思われているかも知れませんが、外国人コーチ達は日本に来て、全く反対の話をしているのだと。。。

これってショッキングなことではないか、と。

パスも強く、ドリブルも強く、それでいてミートでズレを作ったり、外国人の無い工夫を加えて行く。。。それこそが日本のバスケットボールに必要なのではないかと。。。

賛否両論あるかも知れませんが、こういうことを伝えていきたいな、と。伝えて行かなければならないな、と。そう思うんです。強い日本を作るために。。。

この記事を書いた人

東頭 俊典

東頭 俊典

バスケットボールコーチ。 北海道出身。
現在はアースフレンズ東京Zヘッドコーチ