座右の銘(裏話①)

John Wooden氏とコーチKには、本当に少ない時間ですがお会いしたことがあります。学生時代、John Wooden氏の本に出会い、以来バイブルとして何百回も読んできました。この本についてはまた後日ご紹介したいと思います。

またコーチKもずっと憧れて来た人でした。ハードにディフェンスをし、チームワーク抜群のデューク大学が大好きで1998年から2001年までESPNで放映された試合を全て録画し(年間25試合以上ですね)、何度も観返しながらコーチKのそのシーズンを振り返った著書や記事を読む、というようなことを繰り返してきた自分にとって、この二人に直接会って話をする、ということは夢の実現以外のなにものでもありませんでした。今も昨日のことのように思い出せる二人の印象を簡単にご紹介します。。。

まずはJohn Wooden

UCLA構内にあるJohn Wooden氏の展示ボックス
UCLA構内にあるJohn Wooden氏の展示ボックス

「会った」というより、いちファンとして写真を取ってもらいました。UCLAにコーチ留学した際、ホームゲームでの話です。いつもベンチ裏の3段目くらいの席に座っているらしいんですね。セキュリティガード付きで、試合前にはいつもサイン攻めにあっています。2003年2月にお会いしたので、当時93歳。(2009年10月14日 99歳になられました。)UCLA game 2

← 一番左のオレンジのゲータレードのドリンク入れの後ろの茶色のジャンバーを来た方です。わかりますか?

サイン攻めにあっている所にサインをもらいに行くのは気が引けましたが、もう二度と会う機会も無いだろうということで、ならんじゃいました。その頃、ちょうど彼の成功の哲学を下にした絵本がアメリカで出版されたばかりで、その絵本にサインをもらおうとしていた子供の後ろに並びました。すると、Coach Woodenは、何十人と並ぶサインを求める人の列に嫌な顔一つせずにサインと写真撮影に応じるばかりか、それぞれの人達とお話をされてるんですね。私の前の子供には、この絵本にまつわるクイズを出していました。「(絵本の中の)蜘蛛にはどんな長所があったかな?」「正解。じゃあ、蟻は?」と、まるで自分の孫にクイズを出すように、”ファン”の子供たちと話をしていました。それを観て、「すごいなあ」と感じたのを覚えています。威張る訳でも、迷惑がる訳でもなく、自分の立場を受け入れ、それを楽しむばかりでなく、有名になる前の自分を失うこともない。あくまで自分は他の人となんら変わらない一個人なのだと。そんなオーラがありました。本当に普通のお爺ちゃんのように振舞われていたんです。

「Be more concerned with your character than your reputation.  Character is what you really are.  Reputation is what people say you are.」(評判より自分自身の人格を大切にしなさい。人格はあなたが本当はどんな人間か、というものであるのに対し、評判は単に人があなたがどんな人だと思っているかという印象に過ぎない。)

自身の著書の中でCoach Woodenが話している言葉です。

彼は有名になった後でも、それに酔いしれることなく、自分の人格を大切にしているのだな、とそう思いました。人に言われるから自分がすごいとか思うのではなく、あくまで自分の尺度で自分をしっかりと評価して、自分が思う「人として正しいこと」を実践している。。。そんな雰囲気でした。「飾らず、気取らず、あるがまま。」自分もそんな風に生きられたら、と思います。