ウィンターカップ2009男子の準決勝、決勝を観ることが出来ました。
見事このトーナメントを制したのが仙台の明成高校です。
試合後のインタビューで、明成高校の佐藤久夫先生が、「普通の子でもきちんとプレイすれば優勝できる、そう改めて実感することが出来ました。。。」と語っていらっしゃいました。
(インタビューはこちらで: http://hoopdream.jp/wp/?p=2287)
明成高校は本当によく頑張るチームでした。ルーズボールも他のチームも速いのですが、明成は更にその上を行く、チーム内での個々人の役割がはっきりとしている。今の3年生が1年生の時から練習や試合を観る機会が何度かありましたが、決して才能が突出しているとは思えないんです。悪い意味では無く、本当に能力的には平凡な子も試合に出ている。。。ただ、しっかりとバスケットボールをプレイしているんですね。
ゾーン・オフェンスにしても、マンツーマン・オフェンスにしても、高校生にしてはしっかりとバスケットを理解して動いているし、それでいて、戦術・戦略だけに走らず、リバウンドやルーズボールに行くことをしっかりと徹底している。ボールを持ったら、パワーポジションでキャッチ&フェイス、空いていればアタック、味方がオープンならパス。とにかく基本に忠実です。ですが、ちっとも窮屈では無い。むしろ思い切ったプレイや創造力溢れるプレイも随所に出ていました。
厳しくしごかれるチームはバスケットボールの本来の目的を見失いがちになることがよく見受けられます。ディナイを良いスタンスで懸命に行いますが、目の前にボールが転がっているのに取りに行かない。ゴール下ががら空きで飛び込めばレイアップ出来るのに、「スペースを取れと言われたから。。。」と言い、飛びこまない。小学生や経験者が自然に出来るプレイが出来なくなっているプレイヤーを見かけることが良くあります。明成も練習は相当厳しいようですが、このような現象を観たことが無い。徹底している感はするのですが、選手が縛られて、全然楽しそうでは無かったり、上記のように”不自然”なプレイをする(目の前のボールを取りに行かない、得点チャンスを生かせない)シーンは見かけなかったと思います。
一緒に観ていた人は感動して涙を流していました。不器用な選手が全国大会の決勝という場ですがすがしくプレイしている姿に心を打たれたようです。
「(3年間を振り返って)本当に苦しかった。。。でも久夫先生に恩返しがしたかった」
ある選手がインタビューでそう語っていました。
”想い”というのを再認識させてもらった試合でした。「勝ちたい」という強い意志。「選手を勝たせたい」という指導者の想い。ちょうど12月に久夫先生の講習を聞いていたので、とてもしっくり来ました。あれだけのチームを高校3年で作るのは相当の想いと覚悟が、選手にも指導者にも無いと出来ないでしょうね。。。
今年は自分の”想い”(=覚悟)が試されますね。
そう感じた試合でした。