レッド・アワーバック⑤

いつもコメントありがとうございます。

さて、今回は黄金時代のボストン・セルティックスのオフェンスについてご紹介したいと思います。

ビル・ラッセルの著書によると、彼らは6つの基本的なオフェンスを持っていたそうです。

基本的な中心を誰にするかは、そのオフェンスの選択によって決まったようです。例えば、ガードのボブ・クージーを軸にしたければ、プレイ”A”(仮称)、センターのビル・ラッセルを軸にしたければプレイ”B”を選択する、とそんな具合だったようです。

面白かったのはこのプレイは、”いくつものバリエーションがシーズンが進むにつれて、増やされていった”という点です。それもコーチが増やしていったのではなく、プレイヤーが自ら考えて増やしていったそうです。例えば、ある選手がビル・ラッセルに、「ビル、プレイ”B”の時、おれはお前の横をカットすることになっているが、この時に、ディフェンスが先回りすることがあるだろ?その時おれはポップアウトするから、そのまま後ろを向いてスクリーンをかけてくれ」といった風に、プレイがどんどん増えていくのです。

他のチームの選手はみんなボストンのプレイを知っていた、とビル・ラッセルは書いています。ある年、ビル・ラッセルがオールスターの一員として、海外を訪れた時に、「セルティックスのプレイならみんな知っているからあれをチームオフェンスにしよう」と他のチームメンバーが言ったことがあるそうです。それくらいみんなに研究されていた。

ただし、ビル・ラッセルが言うには誰もそのプレイのバリエーションの豊富さを理解していなかったというのです。ここまで読んでくれた読者はおわかりかも知れませんが、これはそう、「オプショナル・フェイズ」の一種だと考えられます。(このオフェンスについてはまた近々詳しく!)

ただ、誤解をしてほしくないのが、こういったプレイヤーの自主的な考えを生み出していたのは、アワーバック・コーチのリーダーシップスタイルなんだということです。この点についてはビル・ラッセルが何度も強調しています。チーム全体の方向性を失わせないよう上手くかじ取りをしながら、それでいて選手の個性や自主性を活かす。。。これがアワーバック・コーチのリーダーシップの良さだったようです。

それにしても、黄金時代のボストン・セルティックス、シカゴ・ブルズなど、黄金時代を作るチームはみんなオプショナル・フェイズ・オフェンスを持っていたというのは、気になる類似点ですね。

この記事を書いた人

東頭 俊典

東頭 俊典

バスケットボールコーチ。 北海道出身。
現在はアースフレンズ東京Zヘッドコーチ