本質を伝える、ということ②

さて、昨日のアメリカの大学バスケのコーチングの続編です。。。

他に行った大学では、また全然別な指導法だったんです。

アシスタントコーチ達はドリル以外、口を開くことを許されておらず、ヘッドコーチが言葉を選びながら話す。

そんなスタイルでした。

オフィスに居た時、「これを勉強しろ」と言われて段ボール箱数箱の古いバスケットボールの本を見せてくれたことがありました。その本を全部勉強したと言うんですね。

それこそ1950年代に書かれた本から最近の本まであって、「バスケットの粋」がそこにある、っていうような本の量です。

それを逐一全部勉強したと。

でも、コートでは全然細かなことまで言わないんです。

みんなそのコーチをよく、「戦術よりもモチベーションや人心掌握に長けているコーチ」というような言い方をしていたのですが、そんなことは無いのだな、と実感させられたんです。

すごくバスケットボールを知っているけれど、選手のことを考えて、

あれもこれも言わず、その選手に今必要なことだけを伝えている。。。

そんな感じでした。

そのコーチが体育館に入ってきただけで、声に出さなくてもオーラが漲っている。。。

そんな感じなんです。

なんだかその背中を観ているだけでも、気迫というかオーラが漂っているんです。

シンプルなコーチ法ですが、それはたくさんの知識や情報に裏打ちされた正確な情報を的確なタイミングで選手にデリバーする、そんな感じでしょうか。

「Players don’t have to know everything coach knows」

(選手はコーチが知っている全てのことを知る必要が無い)

どうしても、選手に伝えたいって思うあまり、何でもかんでも伝えてしまうってありますよね。

でも、そもそも選手とコーチは違うので、コーチは自分の知っていること全てを選手に叩き込もうとするのは間違っているよ、というような話を以前どこかで耳にした気がします。

なんだか目の前でそのコーチのコーチングを観ていて、すごく納得したんですね。

昨日投稿した大学も、今日書いている大学も、同じように全米トップレベルなんです。

でもやり方は全然違う。

やはり答えは一つじゃないなあ、と。。。

成功の方法って本当にいろいろある。

教える方法や伝える方法、チームを強くする方法って、本当に千差万別なんだなあ、と。

そんなことを書きたかったのでした。