アメリカで学んだこと②

この間の続きです。
決してアメリカ人の方が気持ちがあるとか、そういうことでもないんですが。。。
日本人も熱いし、本当に一生懸命だから。

でも何かこう「質」が違う、とも感じる訳で。。。
「コーチ」として、やれることって何か無いかって、話して伝えることもそうだけれど、ダミーディフェンスで掴みかかるくらいの気迫でファウルでもしながらボールプロテクションを教える。
スクリーンの”ブラッシング”を体に染み込ませる。
”ブラッシング”しなければボールを取る。
”ブラッシング”にしても軽ければボールをもらえないように、本気でショルダーチャージして、隙間を作ってファイトオーバーする。
スクリーナーがしっかりセットするようにぶつかる時はよけずに全力でぶつかりに行く。。。
そうすると、体の弱い選手は例外無くスタンスが低くなるし、肘や肩を向けてくる。。。
そういう”温度”になってから初めて、”ルール”というか、正しい姿勢とかを教える段階に入るのではないか、と。。。
もちろん、バスケットボールをプレイし始めとか、レベルや年齢、性別によっても変わってくるのでしょうが、伝えたいことは教える順番や優先順位というか。。。

さて、前回のアメリカで学んだことの続きです。
アメリカの大学でのチームメイトで刑務所から出て来た人、または刑務所に入って行った人がいました。
麻薬関係のトラブルで二人ともものすごい選手で1人は高校生の頃、それこそコービーとか、レブロンみたいな感じで有名だった選手で、薬とアルコールで問題をおこし、刑務所に入り、30歳くらいになって更生して、近所にあったうちの大学に進学。この状態で当時DivisionIIIのランキング1位だったチームで得点王になりました。
(ちなみにこの年、同じカンファレンスだったチームのエースが後にNBAに入っています。)

まあ、何を言いたいのかというと、
「BASKETBALL IS LIFE」
って言った時、彼らの言葉って本当に重いんです。

一度はNBAとか行けたかも知れない、でももう行けない。
30歳のDivision IIIで活躍したって何の意味も無い、でもバスケットボールはおれの人生だ。。。
みたいな。。。

決して時間は長くないけど、黙々とシューティングしたり、トレーニングに励む彼を観ていると、なんかこう自分がやっているトレーニングとは質感も温度も何もかもが違ったんですよね。。。
すごく”重い”というか、バスケットボールが出来ていることに心から感謝している、というか、こうして更生してきたことに感謝しながら練習している、というか。。。

なんなんだろう、あの感じ。。。
不思議な雰囲気というか、オーラがありました。。。

Division IIIって、結構日本の人には下に見られるんですが、アメリカではそうでもないんです。
もちろんDivision Iが一番なんですが、そもそも勝ったら入れ替え戦があるという制度ではないんです。
更にDivision IとDivision IIの出場資格が一緒で、IIIがやや緩いので、Iで問題起こしたら、IIではプレイが出来ない。だからそういう選手はIIIのトップに来るんですね。NCAAじゃないNAIAも同じ感じですよね。
レベルの低い学校も多いけど、トップの選手は海外でプロになったりするし、稀にNBA選手も出ますよね。
IIIの下の方は本当に日本の高校生より下手なんじゃないか、というチームも確かにあるんですが、トップは結構すごい選手もいるし、すごいコーチもいます。
NBAに入る選手もたまに出るし、コーチでもDivision IIIでコーチしていた人がNBAのスタッフ入りすることもあるんですね。
うちのチームは当時すごく強かったので、普通にDivision IIのファイナル4に行くチームやDivision Iのチームに勝ったりもしていたんです。ま、最近はめっきり弱くなっちゃったんですけどね。。。
(ま、僕はベンチに座っていただけなんですけど(笑)自分のプレイヤーとしてのレベルは低いのは認めますが自分の大学をけなされるのを許してたらチームメイトとコーチに怒られる(笑)!)

でも、だから結構逆に問題児ばかりで、毎年チームメイトは大幅に変わるし(上で問題起こして来た人はやっぱりうちでも問題を起こす(笑))、でもその分いろいろな人と出会うことが出来ました。

みんな悪いやつじゃなくて、むしろバスケットにはすごく真摯的で、信じられないくらいハードワーカーで(そうじゃない人ももちろんいたけど)、とにかく子供みたいに負けず嫌いの人が多かった。。。

どう伝えて良いのか、わからないんですが、何かこう、「バスケットボールが好き」という表現が重いんですよね。どんなに宿題しなくても、シューティングだけは毎日きちんと何百本もやるとか、麻薬で捕まっても刑務所でたらすぐにトレーニングと自主練してる、みたいな。

なんなんでしょう、あの感じ。。。

家に帰れば小さな家に親戚10人以上で共同生活している人とか、チームメイトにいたんですよね。
なんか、「底辺からの脱出の術はバスケしかない」みたいな映画みたいなこと、よく言われていたけど、ほんとにそれを目指して頑張っている子供達、たくさんいたなあ、って。

自分の大学はあまり良い立地でも無かったし、大学自体がさほど大きな所じゃなかったから、逆にそういう生々しい世界が見れました。学費も東海岸の名門校に比べたら全然格安の田舎の大学だったので、お金持ちの学生よりも近所の学生が多かったですし。。。

カフェテリアでは黒人と白人が奇麗に別れて座っていたり、アジア人というだけで石を投げられたり。。。
1年目はバスケ部のチームメイトにクビをしめられたり、普通にぼろぼろにけなされていました。

うーん、懐かしい。

あ、全然好きなんですけどね。アメリカ。
要はサバイバルする、というか、動物がジャングルに放たれて、強い者が勝つ、みたいな。
そういうタフさを身につけさせてもらったので。
周りの環境や人のせいにするのではなく、とにかく”自分で責任をとる”って覚悟が出来れば、結構認められるし、住みやすい国なんです。
「何をされても、何があってもおれは止めないし、お前らを倒す」って気概を見せれば、チームメイトも認めてくれましたし。僕の場合は半年くらい時間かかりましたが。。。

うーん、温度。

あれ、なんなんでしょう?

日本人が悪い?
弱い?

本当にそうなんでしょうか?
そうは思わない。

でも、あの”温度”や”質感”を”出す環境”ってあまり日本ではないですよね。

成功って、そういう”温度”なんだと思うんですよね。。。

またそのうちもう少し整理出来たら書きますね。

この記事を書いた人

東頭 俊典

東頭 俊典

バスケットボールコーチ。 北海道出身。
現在はアースフレンズ東京Zヘッドコーチ