Coaching Philosophy③

みなさん、こんにちは。

前回の続きですが、ちょっとまた違う話です。

前回まではコーチKのコーチングを実際に観て、「知っていること全てを伝えることがコーチングではないと学んだ」というお話を書きました。

DUKEに行った時、これまた前回書いた話ですが、チームがアウェイゲームに行っている際、「これを読んでおけ」と言われて本をどっさり置いて行かれました。

それを読み漁っている時にある一冊の古い本に出会ったんです。未だにあれが誰の何という本だったのかわからないのですが。。。

(たしかどこかにメモが残っているはず。。。でもあの本に出会ったのが、DUKE大だったのか、ユタ大だったのかも定かではないくらいのうる覚えで。。。)

でも、1950年代くらいに書かれたその本は3Pラインはおろか、レーンとフリースローサークルも鍵穴みたいな形で、ショットクロックも無い時代の本でした。「こんな本読めって言ったって、バスケットは日々進化しているのに。。。」と手にした時思ったのを今でも覚えています。

でも試しに読んでみると目から鱗だったんです。この時代にこんなに研究が進んでいたのか、と。今もゲームの本質は何も変わっていないじゃないか、と。自分が日々日進月歩で進化していて、勉強しないと追いつかないと思っていたバスケットボールは実は原理原則的には全然変わっていない至ってシンプルな”ゲーム”なんだと。

そこに書かれていたのは、バスケットボールの原理原則で、その観点から観ると当時(2003年)だろうが、2012年の今だろうが、バスケットは何一つ変わっていないと思えたんです。流行やスタイルはあるけれど、でも全てこの原理原則の範疇に収まっている。。。

その本を読む前までは、何だかいろいろなスタイルのバスケットを全てじかに観に行って、コーチに質問し、練習でもみないとしっかりと自分の物には出来ないだろうと思っていました。どこそこのオフェンス、誰々のゾーンプレス、みたいにぶつ切りで考えていて、それを全て勉強しなければならない、と。

でもこの本を読むことで、全てのオフェンスはバスケットボールというシンプルなスポーツの原理を利用して成り立っていて、どの原理に重点を置くかで全く違うオフェンスになる。またディフェンスはその原理を逆側からみたもので、これもまたどの原理に重きを置くかで考え方が変わってくる。。。プレイヤーの配置、動きのパターンやルールに加え、各選手に必要な細かなファンダメンタル、例えばボールのもらい方だったり、手の使い方など、どの原理に重きを置いたら、どのようにすれば良いか、自分でもある程度考え付くことが出来る、ということがわかったんですね。

バスケットボールって本質的にはすごくシンプルで、単純なゲームなのだと。。。

それから練習や試合、コーチングのビデオや本の見方や読み方もすごく変わったんです。

「このコーチはどの原理をどのように捉えていて、それをどのように戦術に活かしているのだろう?」と観れるようになった。

そこから、結構楽になって、楽しくなってきた気がします。

それまではあれもこれも勉強して、ドリルしなきゃいけない!みたいな窮屈な所がありましたが、その本を読んでからは、「原理を伝えるなら、何も一つのドリルではなく、何をやっていても原理は伝えられる(というより原理を教えれば、たくさんのファンダメンタルやプレイに共通することが言える)」というような感覚になりました。

(この本を読んですぐ、という訳ではなく、その後ずっと頭に残っていて、考えて考えて、段々と変わって来た、という方が正しいのかも知れませんが。。。ある日ある本に出会って、即変わった!というのともまた違っていた気がします。。。)

うまく言葉に出来ないのですが、この本との出会いのおかげで、たくさんの違った種類のバスケットボールの戦術を、同じ引き出しに入れたりすることが出来るようになったというか、整理や理解がそれまでより格段に楽になったんですね。

(まだ続く)

この記事を書いた人

東頭 俊典

東頭 俊典

バスケットボールコーチ。 北海道出身。
現在はアースフレンズ東京Zヘッドコーチ