2019-2020シーズンのチームの終わり

みなさん、こんにちは。
2019-2020シーズンのチームもいよいよ今日が契約最終日。今日を持って、このチームは正式に「解散」となります。

個人的にはアースフレンズ東京Zでは3年目、HCとしては1年目。
2019-2020シーズンに関しては『勝つための文化を創る』ということで、まずは“コンプライアンス”“アカウンタビリティー”、この2つを大事にしようと最初のチーム作りとして取り組みました。

チームのルールを遵守すること。時間や服装などもちろんですが、しっかりと契約内容を理解し、約束を守る。当たり前のことを当たり前にやろう、それがコンプライアンスで、この源流はユーロリーグのオリンピアコスにあります。オリンピアコスがコーチが変わってもブレないチームカラーを持っていることに興味を覚え、Z2年目の2018年にチームから派遣されて勉強に行った際、20年前にオーナーが変わり、コンプライアンスを徹底させ始めてからチームは勝ち始め、ユーロリーグファイナル4最多出場、という歴史を創った、というのです。

アカウンタビリティーは「報告義務」、「説明責任」と説明していました。大学を卒業してすぐにプロになる選手も多く、今は新入社員が日々会社や研修で学ぶ、報告、連絡、相談やしっかりしたコミュニケーションの取り方など、アスリートはなかなか学ぶ機会も無く、結果だけを求められる、という側面もあります。昔は社員選手も多かったり、そこを伸ばしてくれる仕組みが自然とあったのですが、現在はだいぶ変わってきています。なかなか選手が学ぶ場所が少なくなってしまっている。また選手とスタッフ、フロントとのコミュニケーションなどもそうです。もちろん、人間なのでフロントスタッフ、またコートスタッフにも不満や納得できない時もあるでしょう。でもそれをただ愚痴ったり、影で言っていても何の役にも立たない。意見があるなら然るべき経路で、社会人としてしっかりとチームのために伝えよう、それが「アカウンタビリティーだ」と最初から言ってきました。
自分がこの業界に入ってからは20年くらい経ちますが、もちろん我々はプロチームなので、「勝つこと」「バスケットで成果を残すこと」を一番に求められます。ですが、プロバスケットボール選手だからといって、バスケットボールだけをしていれば良い、ということではありません。援助して頂いているスポンサー様やファンの皆さんにどうやって満足していただけるか、地域・コミュニティーにどうやって貢献していくか、色々な側面を持った仕事です。
例えば、日本は海外のチームに比べてメディアへの露出が少ない。アメリカだったら大学の時点で強いチームはスピーチの仕方だったりとか、SNSに関しても、レベルの高い教育を受けていますし、ユーロリーグのオリンピアコスでも、SNSの使い方に関してはかなり具体的なマニュアルが存在しました。日本にいる我々も当然研修を受けてはいますが、海外に比べると露出が少なく実践する場も少ないので、そういった面では日本の選手たちには少し意識が薄いところがあるかもしれないと思っています。東京Zの選手たちには、バスケットはもちろん、バスケット以外のそういうところも仕事なんだと日々伝えてきました。それは集客だったりとかイベント参加による地域貢献だったりとか、自分たちが誰から報酬をもらっていて、誰のおかげで活動できていて、我々の存在意義が何で…というようなところ。そこからチーム作りをスタートしました。

怪我があったり自分自身の力不足な点も多々あり、結果を見るとなかなか勝たせてあげられなかったチームでしたが、何より自分が誇りに思えたのは、最後までチーム一丸となって戦っていたこと、そして最後まで仕事としてバスケットボール選手がやれること、を全うしたことです。
バスケだけでなく世界中の色々なところで、コロナウイルスの影響を受けて練習に集中できないとか、リスクを考えすぎたりとか、コミュニケーションの取り方も難しいところもあったようです。そのような状況の中で、各チームの選手・コーチ・スタッフ・フロントスタッフもそれぞれ個々に色々なことを考えさせられた数ヶ月だったのではないかなと思いますが、アースフレンズ東京Zの選手・コートスタッフは最後までみんなで同じ方向を向いて進むことができました。ぎりぎりまで日本に残ってくれた外国籍選手達にも本当に感謝しています。
3月末に一度の再開を経て、正式にリーグ中断が発表されました。そしてその時Bリーグの大河前チェアマンからは、何としてもB1,B2の36チーム全てのチームを残す、また6月までは全選手の給料は支払われる、という発表がありました。その言葉通り、東京Zも6月まではしっかりとチーム全員の面倒を見る、ということで、山野代表はじめフロントスタッフの皆さんがこの状況下で奔走してくれました。

海外ではユーロリーグのトップチームでさえ、給料が40%カットになった、とか全て支払わない、という決断をしたチームもあります。そんな中でもリーグ、チームがしっかり選手を守ってくれたんです。それに答えるように選手達も、次のシーズンに備え、この状況下やれるトレーニングなどをしながらも、チームとして主体的に活動していました。
コロナ禍で色々なことを選手が考えて、行動に移していた例も多々ありました。でも、「チーム」でこれだけ、しかも主体的に動いていた例は、Zが一つ頭抜けていたのではないでしょうか?

最近の若い選手たちは自分たちであんなすごい動画を作れるんだというところにもびっくりしました。笑 自分の時代は映像を使えるスタッフの独壇場だったので、今の選手はこんなこともできるんだと本当に驚きました。筋トレ動画を作ってみたり、個人だけではなく、「チーム」として最後の最後まで活動した選手に敬意を評します。(マネージャーが踊っていた、という怪情報もありましたが。。。)

シーズン最後のイベントとして行われたZ慰労会(ファンクラブ会員の方向けのオンラインイベント)では、B1チームに移籍が決まったダブルキャプテンの柏倉選手増子選手や、チームを離れることがリリースされた選手も参加していました。そういった選手たちが活動終了のぎりぎりまでチームの一員として全力で役割を果たしてくれたことを誇りに思いますし、こんなに素晴らしいメンバーと一緒に過ごせたこと、またしっかりと最後までついてきてくれたことに感謝しています。この1年で本当にいい文化を創って残してくれたメンバーでした。

最後に、アカウンタビリティーの例として、一つ話を共有します。つい先日、全選手とフロントスタッフが集まって城南地区の商店街にシーズン終了のご挨拶とポスター貼りに出かけました。キャプテンの増子選手が1日目を終えた時に、全体ラインで、安全性やコロナ対策について自分の不安や考えを、丁寧に分かりやすく自分の言葉で会社に伝えてくれたそうです。「これまでずっと高い基準でコロナ対策をしてきていた。その基準と今日の基準には差があります。これまでせっかく選手全員で、頑張ってきたことを無駄にしたくは無いし、活動をすることは大事なことなので、もちろん選手もやりますが、これらは改善の余地があると思います。具体的には。。。。」かいつまんで説明するとこんな感じです。フロントスタッフもそのリクエストに迅速に柔軟に対応、改善して次の日につなげて、無事たくさんの人とご挨拶が出来た。。。

当たり前の小さなことだ、と思われるかも知れませんが、6月も後半になり、ほぼほぼチームの活動も無くなってくると、色々なことがおざなりになっていくものです。次のチームでの不安もあれば、引越などの準備などもあるでしょう。それでも最後の最後まで、しっかりとチームを考えて動いてくれたこと、また相手をしっかりレスペクトして物を伝える、個人の感情や意見だけでなく、しっかりと相手の視点や立場に立って物事を伝える。伝えてきたことが、最後の最後までしっかりとやりきれたこと、またフロント側も柔軟に即断して対応してくれたことに、このチームの成長を感じました。こういった事例でありがちなのは、もっとこうすればいいのに…といった内容の話を選手同士の中で言ってみたり、選手の意見を聞いている体裁だけをとって、うやむやに流してしまい、そのまま何も改善されない、というケース。キャプテンがチームで貫いてきたコロナ対策の基準をしっかりと最後まで押し通し、最後の最後まで体現してくれたことが、B1の移籍が決まったことと同様にとても嬉しく思いましたし、それをしっかりと受け止めて即座に対応してくれたフロントもやはりZらしいな、と感じました。周りからはなかなか見えない部分ではありますが、様々な面で見ても2019-2020シーズンのメンバーは自分にとって思い入れのあるチームでしたし、シーズンは止む無く中断してしまいましたが、選手たちが6月末の最後まで、契約を全うしてアースフレンズ東京Zの一員としてやり通してくれたことに感謝しています。自粛期間中もアスリートとしてできることを自ら考えて動いて、本当に良いチームだった。若いチームでそれこそいろんなことがありましたが、最後にはしっかりとした「プロ集団」になっていた、そんなチームでした!

改めてみなさん、たくさんの応援を本当にありがとうございました!

そして、みんな、本当にありがとう!笑顔を忘れずにまた再会できることを祈っています!

(東頭コーチ談 スタッフ書)

この記事を書いた人