結果主義と過程主義③ ~裏話&本のレビュー~

さて、前回紹介させて頂いた、チームUSAのシャシェフスキー・コーチ。

実は2003年にデューク大学に練習見学に行った際、偶然にも軍人さんがデュークのバスケットボールチームにお話する所を見学することが出来たんです。(ちなみにチームにはクリス・デュホーン、ジェイ・ジェイ・レディック、シェルデン・ウィリアムスといった現在のNBAプレイヤーがいました)

この時のシャシェフスキー・コーチがすごかった。デュークとは言え、普通の20歳そこそこの学生です。歳を取った軍人が来て、話を聞いた後、「質問はあるか?」と聞いても誰一人手をあげません。もちろんしっかり話は聞いているのですが、「なんでバスケの練習に軍人が来るんだ?」という雰囲気もあるにはあった気がします。

ですがシャシェフスキー・コーチは、どんどん質問するんです。「戦場に立つっていうのはどんな気持ちですか?」、「自分の命を返りみず、仲間の命を助ける、という勇敢な行動を何故あなたは出来たのですか?怖さとか、家族のことを思って足がすくんだりはしなかったのですか?」、「仲間とは何ですか?」。。。

この質問によってスピーカーの方の緊張もほぐれ、選手達もだんだんと集中していく様子が感じられました。一番すごいと思ったのは、こういったことをわかって意図的に質問をしている(と思われる)シャシェフスキー・コーチが、楽しみながら、本気で質問していたことなんです。本当に興味を持って聞いている。。。また上手く選手が興味を持つような質問でぐいぐいひっぱっていく。。。「話をちゃんと聞け!」「質問をしろ!」ではなく、自らが手本となって引っ張っていき、引き込まれた選手達が今度は質問をし始めるんです。。。質問のための質問ではなく、心から興味を持って質問をしている結果、その場にいたみんながどんどんと引き込まれていったんです。。。

このシャシェフスキー・コーチは本当に尊敬できる人でした。

シャシェフスキー・コーチが北京五輪で金メダルを取るまでのエピソードが載っています。英語本ですが、英語を読める人で読んでいない人は是非読んでみて下さい!タイムアウトの指示の内容や、コービーやレブロン、ウェイドなどとどのように人間関係を作っていったかなども詳細に書かれていてすごく勉強になります!