Phil Jackson②

フィル・ジャクソン・シリーズ第2弾。

前回はマイケル・ジョーダンのあのショットの際、タイムアウトを取らなかった話をしました。

実はこの頃のブルズには結構あった話で、レギュラーシーズン中も格下のチームに20点とか話される場面が結構ありました。こういうケースでも彼はタイムアウトを取る時と取らない時を分けていたようです。

日立1年目で一緒だったスコット・バレル選手から聞いた話だと、例えばベテラン選手がターンオーバーを犯したり、チーム全体が雑なプレイが続いた時などは、あえてタイムアウトを取らないで、ベンチから「おまえら、いい加減にきちんとプレイし始めた方がいいぞ!」とか「おまえらのだらしないプレイのしりぬぐいをするつもりは全くない!自分らで解決しろ!」とか、プライドをくすぐるような半ばぶっきらぼうな指示を出すこともしばしばだったようです。

ですが、基本には細かく、特にパスやピボットの練習などは細かくしていたそうですし(ピート・ドリルとかそういう物ですね)、厳しい所は厳しかったと。

本当に柔軟だったようです。

例えばトニー・クーコッチのルーキーシーズン(ジョーダンが最初に引退した年)に、クーコッチがトライアングルプレイを壊してプレイをしようとする(パターン以外の動きをする)と、すごい剣幕で怒ったそうです。同じプレイをベテランのスコッティ・ピッペンがしても怒らない。理由はピッペンはこのオフェンスを熟知していて、パターンを壊す時にはそれなりの理由があるからだ、としています。(それ以外の要素もあったように思います。クーコッチとピッペンの当時の状況を御存知の方なら予想がつくかも知れませんね。)

つまり選手は完全に平等ではない、ということなんです。最低限のルールはあったとしても、プレイヤーAとBは経験も力量も全く違う。だから、許される行動やプレイの幅も変わってくるということなんですね。当たり前のようですが、これは当たり前では無いですし、それでいて、チーム・ケミストリーをしっかりしなければならないので至難の技です。ちなみクーコッチに辛くあたってばかりいた、という訳ではなく、この年のプレイオフの大事なゲームで、クーコッチにラストショットを打たせて見事に勝っています(ピッペンがラストプレイに参加するのを拒否したあのゲームですね)。まさに適材適所。その場に応じたコーチングをしていた訳です。

まだ続けます。。。

この記事を書いた人

東頭 俊典

東頭 俊典

バスケットボールコーチ。 北海道出身。
現在はアースフレンズ東京Zヘッドコーチ